採用LPを作ろうと調べ始めると、20万円という見積もりも150万円という見積もりも出てきます。同じ「採用LP」なのになぜここまで開くのか、そして自社はいくらかけるべきなのか。判断に必要なのは相場感だけではなく、かけた費用が何件の応募に変わるかを計算する式です。この記事では、制作方法別の費用相場と内訳を示したうえで、応募単価から回収を判断する計算方法を具体的な数字で解説します。
- 採用LPの費用が何で決まるか(内訳)
- 制作方法別の費用相場
- 買い切り型とサブスク型の選び方
- 1応募あたりの費用を出す計算式
- 自社がいくらかけるべきかの決め方
- 費用を削ってはいけない箇所
採用LPの費用は何で決まるか
見積もりが20万円と150万円に分かれるのは、作業範囲がどこまで含まれているかが違うためです。まず内訳を分解します。
| 項目 | 費用の目安 | 自社で持てるか |
|---|---|---|
| 要件ヒアリング・構成設計 | 5〜20万円 | 要件が固まっていれば圧縮できる |
| 原稿・ライティング | 5〜20万円 | 自社で書けば削れる |
| デザイン | 10〜40万円 | 外注が現実的 |
| 実装・コーディング | 10〜40万円 | 外注が現実的 |
| 写真撮影 | 5〜20万円 | 素材やスマホ撮影で代替可 |
| 応募フォーム | 0〜10万円 | 無料ツールで代替可 |
| ドメイン | 年1,500〜5,000円 | 必須 |
| サーバー | 月1,000〜5,000円 | 必須 |
合計すると35万円から150万円強まで開きます。差を生んでいるのは主に、撮影を入れるか、原稿を誰が書くか、デザインをどこまで作り込むかの3点です。
そもそも採用LPで何を作るのかは採用LPの作り方|応募率を上げる構成・設計・改善の全手順を、複数ページの採用サイトが必要かどうかの判断は採用サイトの作り方|採用LPだけで足りない場合の全体構成を参照してください。ページ数が増えれば費用も比例して増えます。
制作方法別の費用相場
誰に頼むかで費用構造が変わります。4つの選択肢を比較します。

初期費用の安さだけでなく、修正のしやすさまで含めて比べる
| 制作方法 | 初期費用 | 月額 | 納期 | 向くケース |
|---|---|---|---|---|
| フリーランス | 15〜50万円 | 0〜1万円 | 3〜6週間 | 要件が固まっていて予算を抑えたい |
| 制作会社 | 50〜150万円 | 1〜3万円 | 1.5〜3か月 | 撮影・原稿まで一括で任せたい |
| サブスク型 | 0〜5万円 | 3〜10万円 | 2〜4週間 | 初期費用を抑え、改善を続けたい |
| 自社制作 | 0〜5万円 | 0.5〜2万円 | 2〜8週間 | 社内に作れる人がいる |
自社制作は「安い」とは限らない
ノーコードツールを使えば費用は数万円で収まりますが、担当者の工数が乗ります。社内で40時間かかったなら、時給2,500円換算で10万円分の人件費が発生しています。表面の金額だけで比べると判断を誤ります。
ただし、必要な要素が分かっていれば自社制作でも十分に戦えます。最低限おさえるべき箇所は求人LPファーストビューの整え方|15分チェックリストと求人LPのレイアウト基本3パターン|スマホでの並べ方にまとめています。
撮影を外すと10〜20万円下がる
費用を抑えたい場合、最初に検討できるのが撮影の省略です。写真素材やスマホ撮影でも、選び方を間違えなければ印象は保てます。判断基準は写真素材だけで印象が変わる採用LPビジュアルの作り方を参照してください。
応募フォームも、無料のフォームツールを使えば費用をかけずに用意できます。ただし項目数の設計は応募数に直結するので、応募フォームの離脱を減らす3つの見直しポイントを確認してから設定してください。
買い切り型とサブスク型の選び方
近年は月額制で採用LPを提供するサービスが増えています。総額で見ると必ずしも安いとは限らないため、何年使うかで判断します。
| 比較項目 | 買い切り型 | サブスク型 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 50〜150万円 | 0〜5万円 |
| 月額 | サーバー代のみ | 3〜10万円 |
| 修正対応 | 都度見積もり(1回3〜10万円) | 月内の回数まで無料が多い |
| 3年間の総額例 | 80万+月1万×36=116万円 | 月5万×36=180万円 |
| 向くケース | 内容が長期間変わらない | 募集職種や訴求が変わり続ける |
分岐点は「修正の頻度」
3年総額だけを見れば買い切り型が有利です。ただしこれは一度作って直さない前提の数字です。買い切り型で年4回修正すると、1回5万円として年20万円、3年で60万円が上乗せされ、総額は176万円になります。ここでサブスク型とほぼ並びます。
つまり判断基準は「作った後どれだけ直すか」です。募集職種が固定で内容も変わらないなら買い切り型、募集内容が動き応募状況を見て文言を変えたいならサブスク型が合います。改善を続ける前提なら、採用LPの応募転換率を計測する|CVRの計算と改善チェックリストのように数字を見ながら直せる体制がセットで必要になります。
💡 サブスク型の一例として、当社が提供するHirePageは初期費用0円・月額49,800円(税別)でLP制作から月次レポート、月4回までの修正まで含みます。相場と比較する材料としてご覧ください。
費用対効果の出し方
相場を知っても、自社にとって高いか安いかは判断できません。応募単価に変換して初めて比較可能になります。
使う計算式は3つ
年間総費用 = 初期制作費 + 月額費用 × 12
1応募あたりの費用 = 年間総費用 ÷ 年間応募数
1採用あたりの費用 = 年間総費用 ÷ 年間採用数
具体例で計算する
制作会社に80万円で依頼し、サーバー・ドメインで月1万円かかるケースで計算します。
- 年間総費用 = 80万円 + 1万円 × 12 = 92万円
- 年間応募が40件なら、1応募あたり = 92万円 ÷ 40 = 2.3万円
- そこから2名採用できたなら、1採用あたり = 92万円 ÷ 2 = 46万円
比較対象を置くと判断できます。人材紹介で年収400万円の人を1名採用した場合、手数料30%で120万円です。上の例の46万円は、この120万円と比べて判断することになります。
3パターンの比較
| ケース | 年間総費用 | 年間応募 | 1応募あたり | 1採用あたり |
|---|---|---|---|---|
| A 制作会社80万+月1万 | 92万円 | 40件 | 2.3万円 | 46万円(2名) |
| B サブスク月5万 | 60万円 | 60件 | 1.0万円 | 20万円(3名) |
| C 自社制作+月1万 | 15万円 | 12件 | 1.3万円 | 15万円(1名) |
| (参考)人材紹介 | — | — | — | 120万円(1名) |
Cは1採用あたりの単価が最も低く見えますが、年間で1名しか採れていません。3名必要な会社にとっては選択肢になりません。単価の低さと必要人数を満たせるかは別の話で、両方を見て判断します。
応募単価と採用単価の計算をより詳しく扱った記事は応募単価と採用単価の計算方法|改善の優先順位を10分で、投資対効果の全体を見る方法は採用の費用対効果を測る|採用ROIの計算方法と改善の優先順位にまとめています。
いくらかけるべきかの決め方
相場から選ぶのではなく、必要な採用人数から逆算します。
手順は3つ
- 年間の採用予定人数を決める(例:3名)
- 他チャネルの1採用あたり費用を出す(例:人材紹介120万円)
- LPで置き換えたい人数分の予算を上限にする(例:1名分=120万円が上限)
この例なら、年間120万円までは投じても人材紹介と同等です。初期80万円+月1万円の構成なら年92万円なので、上限内に収まります。逆に、年1名しか採らない会社が150万円のLPを作ると、初年度は割高になります。
採用予算全体の中で位置づける
LP単体で判断せず、採用予算全体の配分として決めます。予算の組み方は採用予算の立て方|チャネル配分と費用対効果から決める考え方、他チャネルとの単価比較は採用チャネル別コストの計算方法|媒体・紹介・リファラルを比べるを参照してください。定着まで含めて見る考え方は採用コストの判断基準|手数料と離職率から定着込みで見るにあります。
初年度で回収しようとしない
採用LPは資産として2〜3年使えます。初期費用80万円を3年で割れば年27万円です。初年度だけで採算を判断すると、実態より厳しく見えます。年間総費用を出すときは、初期費用を使用予定年数で割った金額で計算する見方も併せて持っておくと判断しやすくなります。
🔧 初期費用をかけずに始めて、応募状況を見ながら直し続けたい場合はHirePageが選択肢になります。LP制作・応募フォーム・月次レポート・月4回までの修正を月額に含めています。
削ってはいけない箇所
費用を抑えること自体は問題ありませんが、削ると応募が落ちる箇所があります。
スマホ表示の作り込み
応募者の大半はスマホから見ます。PC版だけ整えて簡易対応で済ませると、そこで離脱します。要点は採用LPのスマホ最適化|モバイル応募率を上げる設計の要点にまとめています。
具体的な数字と実績の掲載
「アットホームな職場」で済ませれば原稿費は下がりますが、知名度のない企業ほど数字がないと信じてもらえません。載せ方は採用LPの信頼性設計|数字と実績で候補者に伝える方法を参照してください。
ほぼ無料でできる3つ
費用がかからないのに効く箇所は先に押さえます。応募完了後のサンクスページ、疑問を先回りするFAQの設計、そして公開前のアクセス解析の設定です。解析を入れずに公開すると費用対効果を計算できなくなるため、何を見るかは採用LP流入分析|アクセス元と離脱ポイントの可視化で確認してください。
よくある質問
Q. 予算が20万円しかありません。採用LPを作る意味はありますか。
あります。20万円ならフリーランスへの依頼か自社制作が現実的です。ただし、その金額で全部を求めると中途半端になるので、削る箇所を先に決めてください。撮影を省略して写真素材で代替し、原稿は自社で書き、応募フォームは無料ツールを使えば、デザインと実装に予算を集中できます。年1名でも採用できれば十分に回収できる水準です。
Q. 制作費が安い業者と高い業者で、何が違うのですか。
3つあります。含まれる範囲(撮影・原稿・構成設計の有無で数十万円変わる)、採用領域の知見(求職者が何を見て応募を決めるかを知らない制作者だと見た目は良くても応募につながらない)、公開後の対応(修正が都度見積もりか月額込みかで総額が変わる)です。見積もりは金額だけでなく、この3点を揃えて比べてください。
Q. 採用LPを作れば応募は増えますか。
作っただけでは増えません。LPは「見に来た人を応募に変える」場所であり、人を連れてくる機能はありません。求人媒体・Indeed・スカウトなどの流入経路とセットで初めて機能します。LPだけに投資して流入を用意していないのは、費用対効果が出ない典型的なパターンです。
採用LPの費用や進め方についてご相談がある方は、下からご連絡ください。