男性育休取得促進の義務化|2026年に中小企業が対応すべきこと

男性育休取得促進の義務化|2025〜2026年に中小企業が対応すべきこと

2025年4月1日から、従業員301人以上1,000人以下の企業にも男性労働者の育児休業取得率の公表が義務化されました。採用担当者がすぐに対応すべきことは「取得率の計算と公表の手続き」「求人票・採用LPへの育休実績の記載」「取得しやすい職場環境の整備」の3点です。この記事では制度の概要と採用担当者・人事が押さえておくべき実務ポイントを整理します。

この記事でわかること

  • 2025年4月改正の概要と対象企業
  • 公表義務の内容・方法・期限
  • 採用担当者が今すぐ対応すべき3つのポイント
  • 男性育休実績を採用に活かす方法

2025年4月改正の概要と対象企業

厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」によると、2025年4月1日の育児・介護休業法改正により、男性労働者の育児休業取得率の公表義務の対象企業が拡大されました。

項目 内容
改正施行日 2025年4月1日
新たに対象となる企業 常時雇用する労働者が301人以上1,000人以下の企業
従来から対象の企業 常時雇用する労働者が1,001人以上の企業(2023年4月から義務)
300人以下の企業 公表義務なし(ただし任意で公表することを推奨)
政府目標 男性育休取得率:2025年までに50%・2030年までに85%

なお「常時雇用する労働者」には、正規雇用だけでなく「1年以上継続して雇用されている者」や「雇入れ時から1年以上継続して雇用されると見込まれる者」が含まれます。パート・アルバイト・契約社員でも該当する場合があるため、自社の従業員数を正確に確認することが必要です。

公表義務の内容・方法・期限

公表する内容

公表が必要な内容は以下の①または②のいずれかを選択します。

  • ① 男性の育児休業等取得率:「育児休業等をした男性労働者の数÷配偶者が出産した男性労働者の数×100」で計算
  • ② 育児休業等と育児目的休暇の取得率:「(育児休業等+育児目的休暇)をした男性労働者の数÷配偶者が出産した男性労働者の数×100」で計算

公表の方法と期限

  • 方法:インターネットで一般が閲覧できる方法で公表。厚生労働省の「両立支援のひろば」での公表が推奨されていますが、自社サイトでの公表も可能
  • 期限:事業年度終了後おおむね3か月以内に公表。3月末決算の企業は6月末が目安
  • 頻度:年1回

⚠️ 違反した場合

公表義務に違反した場合、厚生労働大臣から公表を求める勧告を受け、それでも従わない場合は企業名が公表されます。罰則規定はありませんが、採用ブランドへの影響があります。

採用担当者が今すぐ対応すべき3つのポイント

① 取得率を計算して公表の準備をする

まず自社が公表義務の対象かどうかを確認します。対象の場合は「昨年度に配偶者が出産した男性社員の人数」と「そのうち育児休業等を取得した人数」を人事・総務から収集して取得率を計算します。初回の公表期限は事業年度に応じて異なるため、自社の決算期から逆算して準備を進めます。育児・介護休業法の実務対応については育児・介護休業法の改正対応チェック|求人票と採用に活かす実務ポイントも合わせて参照してください。

② 求人票・採用LPに育休実績を記載する

男性育休取得率の公表義務化に伴い、候補者が「男性でも育休が取れるか」を求人票で確認する傾向が強まっています。求人票の福利厚生欄に「男性育休取得率〇〇%(2024年度実績)」と具体的な数字を記載することで、候補者の安心感が上がります。「育休取得実績あり」という曖昧な表記より数字で示すことが重要です。求人票の書き方については求人票の書き方|採用担当者が整えるべき全項目と書き方の型を参照してください。

③ 取得しやすい職場環境の整備を進める

公表義務への対応は「数字を公表すること」ではなく「取得率を高めること」が本来の目的です。取得率が低いまま公表すると、むしろ採用上のマイナスになります。取得率を高めるために有効な施策として「管理職への育休取得促進の周知」「代替要員の確保と業務分担の設計」「育休取得者への復職支援の整備」の3点から着手します。

🔧 育休対応を含む採用オペレーションの整備はLoopOpsへ。

LoopOps|採用オペレーション支援を見る →

男性育休実績を採用に活かす方法

男性育休取得実績は、採用における「働きやすさ」の訴求として活用できます。特に20〜30代の男性候補者にとって「将来的に育休を取れるか」は転職先選びの重要な判断基準の一つになっています。

活用場面 具体的な活用方法
求人票・採用LP 「男性育休取得率〇〇%(2024年度)・平均取得日数〇日」と数字で記載
採用広報(note・SNS) 育休を取得した男性社員のインタビュー記事を掲載(取得前の不安・取得後の職場の変化)
スカウトメール 「男性育休取得率〇〇%・取得した社員の声はこちら(採用LPのURL)」を文中に記載
面接・カジュアル面談 「弊社では男性社員も育休を取得しており、現在〇〇%の取得率です」と率直に伝える

採用広報での活用については採用広報の始め方|note・SNS・自社メディアで候補者を集めるも参照してください。

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。