評価シートを用意しても、面接官への事前共有がなければ意味が半減します。どの軸を重点的に見るか、候補者の懸念点はどこか、当日の進め方はどうするか。これらを面接前に揃えておくのがブリーフィングです。この記事では、5分で共有できるブリーフィングシートの構成とそのまま使えるテンプレートを整理します。
- ブリーフィングをしないと何が起きるか
- 面接前に共有すべき5つの項目
- そのまま使えるブリーフィングシートのテンプレート
- 複数の面接官がいるときの役割分担の決め方
- ブリーフィングを仕組みとして回す方法
目次
ブリーフィングなしで起きる3つの問題
面接官が複数いる場合や、採用担当者と現場の管理職が別々に面接するケースでは、事前共有なしに進めると次のような問題が起きやすくなります。
① 面接官ごとに見ているポイントがバラバラになる
採用担当者は「カルチャー適合を重視してほしい」と思っていても、現場の面接官は「即戦力かどうかだけ見る」という判断をしていることがあります。評価の軸がそろっていないと、合否議論が噛み合わなくなります。
② 候補者に同じ質問が重複する
一次面接で聞いた内容を二次でも同じ角度から聞いてしまうと、候補者に準備不足の印象を与えます。選考体験の質が下がり、辞退リスクが高まります。
③ 面接官が場当たりで質問してしまう
何を聞くかが決まっていないと、経歴の確認に時間を使いすぎて、本当に判断したかった部分を掘り下げられないまま時間切れになります。ブリーフィングで質問の優先順位を決めておくだけで、面接の密度が上がります。

事前共有があると面接の密度が上がり、合否議論もスムーズになる
面接前に共有すべき5つの項目
ブリーフィングシートに盛り込む内容は多すぎると面接官が読まなくなります。5項目に絞って、A4用紙1枚か、メール本文で読み切れる量にすることが現実的です。
① 候補者の基本情報と経歴サマリー
氏名・現職・年齢・応募職種・これまでの経歴の要点を2〜3行でまとめます。面接官が履歴書や職務経歴書を読む時間を省くためのサマリーです。面接直前に初めて候補者の情報を知る、という状況を防ぐのが目的です。
② 一次面接(前回面接)で確認できたこと・できなかったこと
二次面接以降の面接官に対して「前の面接で何が分かったか」「何が未確認か」を共有します。これがないと同じことを繰り返すか、重要な確認が抜け落ちます。
③ 今回の面接で重点的に確認してほしい軸
評価シートの5軸のうち、今回の面接でとくに見てほしい軸を1〜2点指定します。「前回スキルは確認済みなので、今回はカルチャー適合と思考プロセスを重点的に」という形で伝えると動きやすくなります。
④ 推薦質問(面接官に聞いてほしいこと)
採用担当者目線で「この点を確認してほしい」という質問を2〜3個リストアップします。候補者への懸念点がある場合は、それを確認するための質問を具体的に書いておきます。
⑤ 候補者の現状と懸念点
他社の選考状況・入社可能時期・給与の希望感・懸念として伝えていたこと(例:転勤が難しい、残業の上限が気になる)などを面接官と共有します。当日に面接官が知らずに地雷を踏む状況を防ぐためです。
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そのまま使えるブリーフィングシート テンプレート
以下をそのままメールの本文やGoogleドキュメントに貼り付けて使えます。面接の前日までに面接官に送ることを標準ルールにしてください。
【面接ブリーフィング】○○様 / ○次面接
■ 基本情報
氏名:
現職・年齢:
応募ポジション:
経歴サマリー(2〜3行):
■ 前回面接で確認できたこと
(例:スキルと経験は要件を満たすと判断。思考の深さは標準的。志望動機は複数社並走中で当社への優先度は中程度)
■ 今回確認できていないこと・重点的に見てほしい軸
(例:カルチャー適合、マネジメント経験の実態、入社後の定着意欲)
■ 推薦質問(できれば聞いてほしいこと)
1. 前職でチームをまとめるうえで意識していたことを教えてください
2. 当社への転職で唯一の懸念があるとすれば何ですか
3. 入社後の最初の3か月でやりたいことはありますか
■ 候補者の現状・懸念点
(例:他社2社と並走中、最終選考まで進んでいる。給与は現状維持以上を希望。転勤は現時点で難しいと話していた)
■ 面接後にお願いしたいこと
評価シートへの記入を面接終了後30分以内にお願いします。共有リンク:(リンクを貼る)
テンプレートは完璧に埋める必要はありません。特に重要なのは③(今回見てほしい軸)と④(推薦質問)の2点です。この2点だけでも共有すれば、面接官の動きは明確に変わります。
📋 評価シートがまだ整っていない方は、先にこちらを参考にしてください。
複数の面接官がいるときの役割分担
面接官が2人以上の場合、役割を事前に決めておくことで面接の質が上がります。よくある2人体制での分担例を示します。
| 役割 | 担当内容 |
|---|---|
| メイン面接官 | 進行・質問を主導する。候補者に対して話を引き出す役割 |
| サブ面接官 | メモを取りながら観察する。メインが聞けなかった点を補足質問する |
| タイムキーパー | 残り時間を確認し、進行が押したときに合図を出す |
3人以上になる場合も基本は同じです。誰が何を見るかを明示しておかないと、全員が同じ観点でしか見ない状態になりやすいです。ブリーフィングシートの末尾に「○○さんはカルチャー適合の観点で見てください」と一言書いておくだけで動きが変わります。
オンライン面接のときの注意点
オンラインの場合、面接中に面接官同士がチャットでメモを共有するケースがあります。候補者には見えませんが、面接後の評価共有がよりスムーズになります。ただし、リアルタイムのやり取りが評価に影響しないよう、独立して記入してから議論するルールは守ることが前提です。
ブリーフィングを仕組みとして回す方法
毎回ゼロから作るのではなく、仕組みにしてしまうことでブリーフィングの負荷を下げられます。
ステップ1:テンプレートをスプレッドシートに置く
GoogleスプレッドシートやNotionに候補者ごとのブリーフィングシートを1行で管理します。候補者名・面接日・面接官・共有済みかどうかをチェックできる形にすると、抜け漏れが防げます。
ステップ2:前日送信をカレンダーでリマインドする
面接日程が確定した時点で、前日の午前中にブリーフィング送信のリマインダーをカレンダーに入れます。送り忘れの最大の原因は「当日になってから気づく」です。予定を入れておくだけで防げます。
ステップ3:面接後の評価シート提出をセットで依頼する
ブリーフィングシートの末尾に評価シートへのリンクを貼り、面接後30分以内の記入を依頼します。ブリーフィングと評価シートをセットで運用することで、面接の前後がつながった一連のフローになります。

面接日程確定→前日送信→面接→評価シート記入のフローをセットで設計する
よくある質問
Q. 面接官が忙しくてブリーフィングシートを読む時間がないと言われます
A4用紙1枚・3分で読める量に絞るのが前提です。それでも読んでもらえない場合は、メールではなくチャットツールで「今日の面接で一つだけお願いがあります」と送って、重点確認事項だけ伝える形に簡略化してください。全部伝えるより、一番大事な1点だけ届く方が現場では効果的です。
Q. カジュアル面談でもブリーフィングは必要ですか?
カジュアル面談を社員が担当する場合は簡易版が有効です。候補者の名前・応募ポジション・聞いてほしいこと・絶対に言わないでほしいこと(給与の数字など)の4点だけで十分です。社員が何を話せばいいか迷わないようにする意図で送る形です。
Q. ブリーフィングの内容は候補者に見せてはいけませんか?
基本的には社内共有用の資料です。ただし懸念点の確認質問について「前回の面接でこんな点が気になったと伝えた上で聞く」という形で、候補者にあえてオープンにするアプローチをとる企業もあります。候補者が正直に答えやすくなる副次効果があるため、状況に応じて判断してください。
ブリーフィングシートの設計や面接フローの整備についてご相談がある方は、まずは下からご連絡ください。