採用計画の立て方|年間スケジュールと人数設計の手順

採用計画の立て方|年間スケジュールと人数設計の手順

「人手が足りなくなってから募集を出す」という採用は、現場が疲弊してから動き始めるため常に後手に回ります。採用には応募が集まるまでの時間・選考にかかる時間・入社後に戦力になるまでの時間がそれぞれ必要です。必要な時期から逆算して計画を立てなければ、欲しいタイミングに間に合いません。この記事では年間の採用計画を設計する手順と、何人・いつ・どのチャネルで採るかを決める方法を整理します。

この記事でわかること

  • 採用計画が必要な理由と立てない場合のリスク
  • 採用人数の決め方と根拠の作り方
  • 必要時期から逆算した年間スケジュールの設計
  • 採用チャネルとコストの割り当て方
  • 計画を期中に修正するタイミングと方法

採用計画が必要な理由

採用計画とは「いつ・何人・どんな人を・どのチャネルで採るか」を事前に決めておくことです。計画なしに採用を続けると次の3つの問題が起きます。

① 現場が欠員状態で選考が始まる

退職が発生してから募集を出すと、既存社員への負荷がかかった状態で選考を進めることになります。現場が疲弊していると面接官の質が落ち、採用判断が甘くなるか厳しくなるかの両方のリスクが生じます。入社後の教育も手が回らず、早期離職につながりやすくなります。

② コストが読めない

計画なく採用すると、年間の採用予算を事前に確保できません。急募で人材紹介を使うと高額な手数料が発生し、計画的に媒体を運用した場合より1人あたりコストが大幅に増えます。

③ 採用のPDCAが回らない

計画がないと「今期の採用が成功したか失敗したか」を評価できません。採用KPIを設定しても、比較する基準がなければ数字の意味がわかりません。翌年の改善につながらず、毎年同じ失敗を繰り返しやすくなります。

採用計画なし・あり場合の違いの比較図

計画の有無でコスト・タイミング・質のすべてに影響が出る

採用人数の決め方

採用人数は「今足りないから」ではなく、以下の3つの要素を合算して算出します。

① 退職予測人数

過去2〜3年の年間退職者数の平均から、今期の退職予測を出します。「毎年2〜3人辞めている」という実績があれば、それを計画に織り込みます。退職が多い繁忙期・離職しやすいタイミング(入社1年前後)も把握しておくと精度が上がります。

② 事業拡大・新規立ち上げによる増員

今期の事業計画から、業務量が増える時期・新拠点のオープン・新規サービスの立ち上げを確認します。それに必要な人員を職種別にリストアップします。「売上目標が1.3倍なら営業を2名増やす」という形で事業計画と連動させます。

③ 既存社員の戦力化による調整

中途採用より社内育成で対応できる部分は採用人数から引きます。一方、定年退職・長期休業(産育休など)が予定されている場合は追加します。

採用人数の計算式

採用必要人数 = 退職予測人数 + 増員計画人数 + 長期休業対応人数 − 社内育成で対応できる人数

この人数を職種別・時期別に分解することで、「いつ・何の職種を・何人」という採用計画の骨格が完成します。

逆算で年間スケジュールを設計する

採用計画のスケジュールは「入社してほしい日」から逆算して作ります。

逆算の考え方

ステップ 所要期間の目安 内容
入社・戦力化 入社後1〜3か月 オンボーディング期間。即戦力でも最低1か月は必要
内定〜入社 1〜2か月 現職の退職手続き。転職者は1〜2か月の引き継ぎ期間が必要なことが多い
応募〜内定 2〜4週間 書類選考・面接・内定判断のリードタイム
求人開始〜応募獲得 2〜8週間 媒体・チャネルによって異なる。スカウトはさらに長くなることも

逆算の例

「9月1日に戦力として活躍してほしい」場合の逆算です。

逆算スケジュール例

9月1日:戦力化(目標)
↑ オンボーディング1か月
8月1日:入社日
↑ 退職手続き・引き継ぎ1.5か月
6月中旬:内定承諾
↑ 選考リードタイム3週間
5月下旬:面接開始
↑ 応募獲得まで4週間
4月下旬:求人掲載開始

「9月に欲しい」から逆算すると4月末には動き出さなければならないことがわかります。この逆算を全職種・全採用ポジションに対して行い、年間のカレンダーに落とし込むことが採用計画です。

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採用チャネルとコストの割り当て

採用人数とスケジュールが決まったら、職種・ターゲット・リードタイムに合わせてチャネルを選びます。

チャネル 向いているケース コストの特徴
求人媒体 幅広い職種・計画採用 掲載費が先払い。応募数に関係なくコストが発生
人材紹介 急募・専門職・採用工数を減らしたい 成功報酬型。採用できなければコストゼロだが単価が高い
スカウト媒体 経験者・特定スキルの絞り込み 月額費用+工数。ターゲットを絞れるが担当者の稼働が必要
リファラル 文化フィット重視・コスト削減 報奨金のみ。仕組みが必要だが最もコストが低い
ハローワーク 一般職・コスト重視 掲載費無料。工数が増える傾向あり

年間採用予算の組み方

予算は「採用単価 × 採用予定人数」で概算を出し、チャネル別に配分します。初年度は人材紹介をベースに据えつつ、媒体やリファラルを補完的に使う配分にすると採用計画の達成確度が上がります。翌年以降は実績データをもとに、コスパの良いチャネルに比重を移します。

計画を期中に修正するタイミング

採用計画は立てたら終わりではなく、四半期ごとに進捗を確認して修正します。以下の状況が発生したら計画の見直しを検討してください。

状況 対応の方向性
応募数が計画の半分以下 チャネル追加・求人票の見直し・採用要件のMUST/WANT整理
予想外の退職が発生 人材紹介を緊急投入・リファラルの活性化
事業計画が下方修正された 採用人数を減らし、既存社員の稼働で対応できる範囲を再確認
内定辞退が続いている 採用リードタイムの短縮・オファー面談の導入・条件の再検討

計画の修正は「失敗」ではなく「精度を上げる作業」です。現実と計画のズレを四半期ごとに確認し、翌年の計画にフィードバックする習慣が採用力を年々強化します。

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よくある質問

Q. 採用計画はいつ立てるべきですか?

年度開始の2〜3か月前が理想です。4月始まりの企業なら1〜2月に立てることで、年度開始直後から動けます。事業計画の策定と同時期に採用計画も作ることで、経営計画との整合性が取れます。初めて立てる場合は「今期の退職予測人数 + 最低限の増員計画」だけでも書き出すことから始めてください。

Q. 採用人数が読めないときはどう計画すればいいですか?

「最低○人・最大○人」というレンジで計画を立て、上振れた場合のチャネルを事前に決めておきます。「採用できたら事業を拡大する」という順序の場合は、採用が進んだタイミングで計画を随時追加していく「ローリング計画」の方が現実的です。

Q. 採用計画を経営者や現場に共有する必要はありますか?

共有することを強くおすすめします。採用は採用担当者だけで完結できません。面接官の確保・業務引き継ぎの準備・入社後の育成担当の確保など、現場の協力なしに計画通り進めることはできません。年度初めに「今期はいつ・どの職種を・何人採用する予定か」を全社で共有しておくことで、面接官の日程確保や受け入れ準備がスムーズになります。

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