
人材紹介(紹介会社)を使うとき、これまでは「見積の%」と「担当者の相性」で決めてしまいがちでした。
でも2025年12月25日に、厚労省から職種別の“手数料レンジ”と“就職後6か月以内の離職率レンジ”がまとまって公表され、比較の前提がひとつ更新されています。
このNEWSでは、採用側が意思決定に使える読み方と、紹介会社に確認すべきポイントだけに絞って整理します。
- 「手数料率」と「離職率」を、比較可能な形に落とす見方
- 紹介会社の見積を“鵜呑み”にしないためのチェック観点(返金・定義・条件)
- 職種別の相場感を踏まえた「採用コスト見積もり」の作り方
- 社内の意思決定を速くする、紹介会社への質問テンプレ
何が公表された?いちばん大事なポイント
今回の要点はシンプルで、「職種別に、紹介の“手数料レンジ”と“早期離職レンジ”を並べて見られる」ようになったことです。
具体的には、(閲覧・検索できる)データをもとに、職種ごとの手数料率実績(10%刻みのレンジ)と、就職後6か月以内の離職率(同じくレンジ)が整理されています。
採用側にとっての意味は、「値段だけでなく、定着リスク込みで比較できる」という一点です。
たとえば、見積が同じ30%でも、職種によって“30%が多いのか普通なのか”が違い、さらに“早期離職レンジがどれくらい出やすい職種か”まで同じ土俵で話せます。
採用側が見るべきは「3つ」だけ
① 手数料率は「%」ではなく“レンジの偏り”で見る
手数料は「30%です」で終わらせない方がいいです。今回の公表は、10%刻みのレンジで職種別の構成比を見られるので、“その職種で多いレンジ”を掴めます。
つまり、見積が高い/安いの判断を、担当者の説明ではなく相場の分布で持てます。

② 離職率は「紹介会社の質」より先に“職種の前提”として押さえる
離職率を見る目的は、紹介会社を見直すことではありません。
まずは職種として“早期離職が起きやすい前提”なのかを押さえ、採用条件・受け入れ設計(配属・教育・初週の体験)まで含めて対策するために使います。
③ 返金・定義・条件を「契約前に」揃える
離職率を見た瞬間に、採用側がやるべきことは返金規定の確認です。ここが曖昧なままだと、数字を見ても意思決定が変わりません。
特に、返金対象の「離職」の定義(自己都合・会社都合・試用期間・配置転換・出社拒否など)は、先に揃えておく方が安全です。
採用コストを「定着込み」で見積もる簡単なやり方
手数料率と離職率が見えるなら、採用側は見積もりを「採用できたコスト」→「定着したコスト」に一段上げられます。
ざっくりでOKなので、まずは次の形で社内稟議を作ると判断が速くなります。
- 紹介手数料(概算)= 想定年収 × 手数料率
- 定着込みの期待コスト(概算)= 紹介手数料 ÷(1 − 早期離職率)

※ここでの目的は精緻な会計ではなく、比較の軸を揃えることです。
社内で「どの職種から」「どのチャネルから」攻めるかを決める材料として使ってください。
今週やることはこれだけでOK
ここまで読んで「見る指標は増えたけど面倒そう」と感じたら、やることは1つだけです。
紹介会社に“同じ質問”を投げて、比較可能な回答だけをもらう。これで十分、成果が変わります。
紹介会社に送る質問テンプレ(コピペOK)
- 今回の職種(●●)の手数料率は何%ですか?その根拠(上限・実績・社内ルール)もください。
- 返金規定はありますか?返金対象の「離職」の定義と、期間、返金率をください。
- 候補者の流入元(DB/スカウト/広告/提携)の比率はどれくらいですか?
- 推薦前に行うスクリーニング(確認項目、面談回数、リファレンス有無)を教えてください。
- 直近でこの職種の内定承諾率・辞退理由の傾向があれば教えてください。

誤読しやすい注意点
「職種の平均」を、そのまま自社に当てはめない
公表データは便利ですが、採用は会社ごとに条件が違います。
だからこそ、数字は「結論」ではなく、確認すべき論点を洗い出すための起点として使うのが安全です。
離職率は“採用後の体験”で動く
早期離職の多くは、求人票の言葉よりも、初週〜初月の現場体験で決まります。
つまり、離職率を見た瞬間にやるべきは「紹介会社の変更」だけではなく、受け入れ設計(配属・教育・期待値調整)の確認です。
よくある質問
Q. 手数料が高い紹介会社は避けるべきですか?
価格だけで判断すると失敗しやすいです。
大事なのは「返金条件」「候補者の流入の作り方」「スクリーニングの精度」が、自社の採用に合っているかです。
Q. 離職率が高い職種は、採用を止めた方がいいですか?
止めるより、受け入れ設計を先に固めるのがおすすめです。
早期離職が起きやすい職種ほど、「初週に何を任せるか」「誰が面倒を見るか」「不安を先に潰すFAQ・安心表記」を整えるだけで改善余地が出ます。
Q. そもそも紹介に頼らず、広告やスカウトで採用はできますか?
できます。ただし、その場合も「媒体まかせ」では成果が出にくいです。
求人の訴求とLP、フォーム、対応フローを一気通貫で設計して、応募から採用までを数字で追える状態にしておくと、打ち手がブレません。