応募フォームの離脱を減らす3つの見直しポイント

応募フォームを見直している人事担当者のイラスト

「求人ページは見られているのに、応募までなかなか進まない」「フォームのどこで離脱されているのか分からない」──
中小企業(20〜100名)の兼務人事・1人目人事から、よく聞く悩みです。
本記事では、いま使っている応募フォームを対象に、今日からできる「離脱を減らす3つの見直しポイント」を整理しました。
大掛かりなシステム改修ではなく、項目の整理・スマホ前提の設計・安心情報の足し方に絞っているので、
自社での改善指示やRPOへの依頼にもそのまま使える内容になっています。

この記事でわかること
  • 中小企業の応募フォームで離脱が起きやすい典型パターン
  • 改善前に決めておくべき「ゴール」とフォーム設計の前提
  • 離脱を減らす3つの見直しポイント(項目整理・スマホ前提・安心情報)
  • スマホ実機でのチェック方法と、変更後に見るべき数字
  • よくある不安(項目を減らして本当に大丈夫か?など)への考え方

なぜ応募フォームで離脱が起きるのか

求人LPをしっかり作り込んでも、フォームでの離脱が多いと応募にはつながりません
特にスマホ経由の応募が中心になっている現在、フォームは「入力しやすさ」と「安心感」がないと、
候補者の指はすぐに「戻る」ボタンへ向かってしまいます。

中小企業の応募フォームで離脱が起きやすいパターンは、おおよそ次の3つです。

  • 項目が多すぎる(必須が多く、入力完了までの距離が長い)
  • スマホで入力しづらい(フリーテキストだらけ/選択肢が長すぎる)
  • 先が見えず不安(所要時間・選考フロー・個人情報の扱いが分からない)

これらは、システムを入れ替えなくても、設問の整理と文言の調整だけで改善できる余地が大きい部分です。
本記事では、まずは「今あるフォーム」を前提に、15〜30分でできる見直しに集中します。

応募フォームで離脱が起きやすい3つのパターンを示した図
離脱が起きやすい3つのパターン(項目が多すぎる/スマホで入力しづらい/先が見えず不安)

改善前に決めておきたい「ゴール」と前提

いきなり項目を削ったり増やしたりする前に、フォームのゴールを一度言語化しておくと、判断がブレにくくなります。

フォームのゴールは「今、どこまでたどり着いてほしいか」

例えば、次のどちらをゴールにするかで、必要な項目は変わってきます。

  • パターンA:まずは「話を聞きたい人」の情報だけを集めたい(カジュアル面談寄り)
  • パターンB:最初から「一次選考に乗せる前提」で情報を集めたい(本応募寄り)

パターンAなら、氏名・連絡先・希望職種・簡単な質問1〜2個程度で十分な場合もあります。
パターンBなら、職歴やスキルなど、もう少し踏み込んだ情報が必要になるでしょう。
どちらをゴールにしているのかを、人事と現場で共有してからフォームを見るのがおすすめです。

「あとから聞ける情報」は無理にフォームに詰め込まない

もう一つの前提は、「あとから聞ける情報は、最初のフォームに全部入れなくていい」という考え方です。
電話・メール・カジュアル面談の場で十分聞ける内容であれば、フォームでの必須項目から外してしまっても構いません。

この前提を置いたうえで、次のセクションで紹介する3つの見直しポイントをチェックしていきます。

離脱を減らす3つの見直しポイント

応募フォーム改善の3つの見直しポイントをまとめた図解
応募フォームで離脱を減らす3つの見直しポイント(項目整理/スマホ前提/安心情報)

ポイント1|必須項目を「本当に必要な最低限」まで絞る

まず取り組みやすいのは、必須項目の棚卸しです。次のような観点で見直してみてください。

  • 「面談前にどうしても知っておきたい情報」だけが必須になっているか?
  • 住所・生年月日・詳細な職歴など、面談時や追って確認できる情報まで最初から求めていないか?
  • 同じ内容を聞いている設問(例:自己PRと志望動機がほぼ同じ)が重複していないか?

目安として、「氏名・メールアドレス・電話番号・希望職種・自由記述1問」程度にまで絞れないかを一度検討してみると、
フォーム完了率が変わるケースが多いです。

  • □ 必須項目を一覧にし、「あとから聞けるか?」の視点で見直した
  • □ 重複している設問や、使っていない情報項目を洗い出した
  • □ 「まずは話を聞きたい層」を受け止めるための、簡易バージョンも検討した

ポイント2|スマホ入力を前提にUIを整える

応募の大半がスマホからになっている場合、PCで見やすいフォーム=スマホで入力しやすいフォームとは限りません
次のような点を確認してみてください。

  • メールアドレス欄では、スマホで@入りのキーボードが出るよう設定されているか
  • 数字入力(年齢・希望年収など)は、数字キーボードで入力できるか
  • 選択肢が多い設問(業種・職種など)は、ドロップダウン地獄になっていないか
  • フリーテキストを長々と書かせる代わりに、選択肢+短い補足で済ませられないか

制御できる範囲はシステムによって違いますが、「スマホで自分が入力してみてストレスを感じる箇所」をメモに起こすだけでも、
改善の指示がしやすくなります。

  • □ スマホ実機でフォームに入力してみて、ストレスを感じた点を洗い出した
  • □ 選択肢が多すぎる設問がないかを確認した
  • □ 長文フリーテキストを減らせないか検討した

ポイント3|フォームの中に「安心情報」を差し込む

離脱の背景には、入力の面倒くささだけでなく、「この先どうなるのか分からない不安」もあります。
フォームの周辺に、次のような「安心情報」を足すだけでも、完了率が変わることがあります。

  • 「入力にかかる目安時間(例:3分程度で終わります)」
  • 「選考フロー(例:書類→一次面接→最終面接)」
  • 「選考結果の連絡目安(例:◯営業日以内にご連絡します)」
  • 「履歴書・職務経歴書の提出タイミング(例:面談確定後にメールで送付)」
  • 「個人情報の利用目的へのリンク(プライバシーポリシー)」

これらはフォームの上下に短いテキストとして添えるだけでも機能します。
特に中小企業の場合、「ちゃんと連絡が来るのか」「応募したらすぐ本選考なのか」といった不安を取り除くだけでも、
離脱は減らせます。

  • □ 所要時間・選考フロー・連絡目安をフォーム付近に明記した
  • □ 履歴書・職務経歴書の提出タイミングを明確にした
  • □ 個人情報の取り扱いについて、リンクや文言で案内した

スマホ実機でのチェック方法

フォーム改善は、必ずスマホ実機での確認とセットにすることをおすすめします。
次のミニワークを、現場メンバーと一緒に15分だけやってみてください。

  1. スマホで応募フォームを開き、最初から最後まで自分で入力してみる
  2. 「ここで一瞬止まった」「戻りたくなった」と感じた箇所をメモする
  3. その箇所を、「削る」「分ける」「説明を足す」のどれで解決できるかを話し合う

その際、以下の観点でチェックすると漏れが減ります。

  • 1画面あたりの情報量は多すぎないか(スクロール地獄になっていないか)
  • エラー表示が分かりやすいか(どの項目でエラーになっているか一目で分かるか)
  • 戻るボタンを押したときに、入力内容が消えてしまわないか

ここまでできれば、あとは「どの修正から着手するか」を決めるだけです。
全てを一度に直そうとせず、インパクトが大きそうな箇所から1〜2個に絞ると進めやすくなります。

スマホ実機で応募フォームを入力しながらチェックしている様子のイラスト
スマホ実機で自分でフォームを入力し、止まった箇所を「削る・分ける・説明を足す」で整理するミニワーク

変更後に追いかけたい数字と改善サイクル

フォームを修正したら、「何となく良くなった気がする」で終わらせないことが大切です。
できる範囲で構わないので、次の数字を追いかけてみてください。

  • フォーム到達数(LPからフォームまで進んだ人数)
  • フォーム開始数(1問目に入力を始めた人数)
  • フォーム完了数(応募ボタンを押してサンクスページまで到達した人数)

これらを月単位でもよいのでメモしておくと、
「項目を減らした月から完了率が上がった」など、改善の手ごたえが見えやすくなります。
GA4やGTMを使ってE2Eで計測するのが理想ですが、まずは管理画面の数字を月1回書き出すだけでも十分です。

改善サイクルのイメージは次の通りです。

  1. フォームの1〜2箇所を修正する(項目・UI・文言など)
  2. 1〜2ヶ月ほど数値を追いかける
  3. 効果があれば残し、なければ別の箇所を試す

「一度で完璧なフォームを作る」よりも、少しずつ試しながら現場に合った形に近づけていくイメージで十分です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 項目を減らすと、選考に必要な情報が足りなくなりませんか?

すべてをフォームで集める必要はありません。「面談前にどうしても知りたい情報」だけをフォームで集め、
それ以外はカジュアル面談や一次面接の前後で補う形でも問題ありません。
むしろ、応募のハードルを下げることで母集団が増え、結果的に選考の質が上がるケースもあります。

Q2. 履歴書・職務経歴書の添付は必須にすべきでしょうか?

中小企業の場合、最初の応募段階では必須にしない運用も検討する価値があります。
まずは簡易な情報だけで応募してもらい、合いそうな候補者に対して後から書類を依頼する形にすると、
「とりあえず話だけ聞きたい層」も取りこぼしにくくなります。

Q3. 採用管理システム(ATS)を使っている場合でも、この記事の内容は活かせますか?

はい、活かせます。多くのATSでは、項目の必須/任意設定や並び順、説明文の追加などは調整可能です。
システムそのものは変えずに、この記事で挙げた観点(項目整理・スマホ前提・安心情報)をもとに、
管理画面からフォームの設定を見直してみてください。

Q4. フォーム改善と同時に、求人LPやFAQも直した方がいいですか?

余裕があれば同時並行も良いですが、まずは「ファーストビュー」と「フォーム」の2箇所を優先するのがおすすめです。
ファーストビューについては、別記事
「【設計】中小企業の求人LPファーストビューを15分で整えるチェックリスト」で詳しく扱っています。
そのうえで、不安や質問が多い場合は、FAQや安心表記を整える記事に進むとスムーズです。